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2013年に掲載したキラウエア火山情報


2013年11月27日

11月の火山状況

ここ数ヶ月(2013年8月以降)、火山の活動には特に大きな変化はありませんでした。
いまだにオーシャンエントリー(海に流れ込む溶岩)は復活しておりません。
現時点で赤い溶岩活動が見える可能性がある場所は2箇所のみ。ハレマウマウ火口内とPuuOo火口周辺です。
※天気、噴煙の量で上空からでも見えないこともあります

【ハレマウマウ火口の活動】
火口内の噴煙(白煙)が上がっている溶岩湖(ラバ・レイク)のサイズは少しずつ大きくなっており、現在は直径約160m。火口内の溶岩水位はハレマウマウの底から10m位のところまで上がってきたり、急に60m位まで下がったりしています。10m位の所まで水位が上がっている時は上空2000フィートくらいからも見えますが、50〜60mまで下がってしまうとほぼ真上まで行かないと溶岩は覗き込めません。地上(ジャガー博物館:国立公園内)からは暗い時には煙が赤く染まったりしますが、赤い溶岩は肉眼では見ることはできません。
※注意:ハレマウマウ火口の上空は飛行禁止区域になっております。白煙から3マイル以上、または4,000フィート上空を飛ぶ必要があります。

【PuuOo火口周辺の活動】
海(南)に向かって伸びていた溶岩チューブは完全に閉鎖してしまったと思われます。このチューブが閉じてしまってからたまにチューブから溶岩が漏れ出ていたりしていましたが、一ヶ月以上こちらのチューブ周辺では赤い溶岩は確認されておりません。森林(北)に流れ始めたKahuaale'a2溶岩流が主体となっており、徐々にチューブを形成しています。Kahuuale'a2溶岩流は火口から8km伸び、さらに少しずつ林を飲み込んでいます。森林が溶岩に飲み込まれる様子は上空からしか見ることができません。(地上から歩いて行ける範囲内ではありません。)

【カメラが捉えた素晴らしい溶岩活動】
昨日のフライトで久しぶりに感動するような溶岩活動をカメラが捉えましたのでその様子を紹介します。
(この写真を撮って下さったお客様に感謝です。)

11/25/2013 
参照:ディフォメーション・グラフの青い線
火口表面の膨れまたはへこみ具合を示したグラフです。

3:15 PM前後
Kahuuala'e2周辺の遊覧を終えてヒロ空港に向かい北へ向かう。
その直後にPuuOo火口上空を飛行していたパイロットから「火口内で凄い溶岩活動が始まった」と連絡が入る。
機体を旋回させて火口を振り返ると10km以上の上空からも火柱が確認できる。
至急(数分で止まる可能性があるため)PuuOo火口にとんぼ返り。

3:17 PM
赤い溶岩の周りに見えるツヤのある部分が噴火後2〜3分で出てきた溶岩。

3:18 PM
扇状に溶岩が噴出している様子。(約10mの高さ)

3:21 PM
噴火6分後にはすでに溶岩流の長さは100m前後。

4:00 PM
ヒロ発のフライトがPuuOo火口に戻った頃にはもう既にこの活動は止まっており、溶岩の表面はほとんど冷え固まり始めていて、ほとんど赤い部分が見えなかったそうです。私の推測では3:30〜3:40頃までにはこの活動は既に止まっていたと思います。

このような出来事をご覧いただくと分かりやすいと思いますが、いつ何が起こるか全く分からないのが火山です。明日何が起きているか全然予測が出来ません。それが自然です。


2013年8月26日

海に流れ込む溶岩がストップ!

2012年の年末から約8ヶ月続いていたオーシャンエントリー(海に流れ込む溶岩)が止まってしまいました。
先週から海に流れ込む溶岩の量が減り始め、海岸線の水蒸気雲の大きさが見る見るうちに小さくなっていきました。8/22には海岸線の崖の上には溶岩が見えておりましたが海には流れ込まなくなり、8/23には崖の上に見えていた溶岩も冷え固まり、海岸線付近の溶岩活動はとりあえず一時停止しております。

しかしまだ、PuuOo火口からの溶岩は海に向かっている溶岩トンネルには流れている様子なので、もしかしたらまたすぐに復活する可能性もあります。前回も一時停止は数週間だけですぐに再復活していたので、今回もそうであればよいと願っています。

現在PuuOo火口から2本の溶岩トンネル(Lava Tube)が形成されております。1本が全長15kmくらいある、南に向かって溶岩を海まで流し込んでいるトンネル。もう1本のトンネルは北に(ヒロ方面)向かっています。北に向かうトンネルに流れ込んでいる溶岩は3ヶ月くらい前からPuuOo火口の北に広がる熱帯雨林を少しずつ飲み込み始めていました。

今まで南のトンネルに大量の溶岩が流れていて、北のトンネルには少量の溶岩が流れていたために北のトンネルからの活動は弱く、不安定でした。しかし先週からはどうもそれが逆転した様子です。オーシャンエントリーの活動が弱まるにつれて、林や木々が燃え上がる山火事が活発になりました。

現時点で溶岩が見えるのは上空からのみとなってしまいました。上空からも見える場所は限られていてPuuOo火口内、火口の北の森が飲み込まれる瞬間、そして南に延びているチューブ上にできているスカイライト(天窓)、大きく分けて3ヵ所のみです。運が悪い日はこれらのエリアも雲の中に覆われてしまい、上空からも溶岩が見えない可能性もあります。

火の女神“マダム・ペレ”さんに早くオーシャンエントリーを復活させてもらうようにお願いしましょう!


2013年5月6日

火山活動が活発、プウオオ火口からは吹き上がる溶岩も!

キラウェア火山の活動はここのところ安定しており、ハレマウマウ火口とプウオオ火口、そしてオーシャンエントリー(海に流れ込む溶岩)で活発な火山活動の様子が見えております。

プウオオ火口では運が良い時にはブクブクと波立った溶岩が上空から結構見えております。そして今日の最後のフライトでは久しぶりに空中に吹き上がる活動を見ることができました。5秒間隔くらいに「ドクッ、ドクッ」と1000℃の真赤な溶岩が5〜10m程吹き上がっていました。ペレの鼓動が聞こえてきそうな瞬間です。上空から生きている地球を体感してみてください!


ご注意: プウオオ火口は海岸線から10km内陸に入った場所にあるため、溶岩ボートツアーからはプウオオ火口周辺の火山活動は見ることができません。ヘリコプターからのみご覧いただけます。上空からですと天気が良い時にはプウオオ火口周辺とオーシャンエントリー周辺を遊覧します。この動画のような溶岩活動がいつも見えるわけではありません。フライト毎に見えるものは違います。

2013年4月16日

2013年4月の溶岩情報

年末にオーシャンエントリー(溶岩が海に流れ込むこと)が復活して以来、PuuOoの溶岩活動が安定しています。そのためチューブが閉じてしまうこともなく、現在も溶岩は海に流れ込み水蒸気雲がモクモクと立ち上がっています。またPuuOo火口内でも、波を打ったり飛び散ったりする溶岩活動がかなりの確率で見えています。ハレマウマウ火口も相変わらず活発です。大量の煙が噴出されているため、ハワイ島ではVOG(Volcanic Smog)のひどい日が多く続いています。

ゴールデンウィークも迫ってきました。夏休みももうすぐです。
2013年は溶岩が見やすい年になりそうですね!
このまま溶岩活動が続きオーシャンエントリーが止まってしまわないことを祈りましょう。

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過去に掲載した火山情報を見る (画像やビデオあり)

2012年のキラウエア火山 ロイヤルガーデンに残されていた最後の1軒が溶岩流に飲み込まれました。
2011年のキラウエア火山 プウオオが絶好調だった年。迫力ある溶岩流が何度も見られました。
2010年のキラウエア火山 オーシャンエントリーが止まったり流れたり。素晴らしい溶岩流が見えました。
2009年のキラウエア火山 オーシャンエントリーが活発な1年でした。
2008年のキラウエア火山 ハレマウマウ火口が噴火した年です。